令和の黎明(れいめい)オホーツク海

新時代の幕開けを日の出岬で迎えようと、新元号特別企画で、6階の展望台を開放しているホテル日の出岬へ向いました。日の出の予想時刻は4時20分。すでに数人の方々がシャッターチャンスをねらい、今か今かと待ち構えていました。

ほのかに茜(あかね)がさし始めたように見えたのですが、厚い雲にはばまれてなかなかお顔を覗かせてくれません。

天岩戸をこじあける天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)を待望しながらも、時は刻まれて四半刻(シハントキ約30分)が過ぎ、寒さとあきらめで帰る方もあり、気づけば私一人になっていました。…その時、中空がやにわに明るくなり、海上には薄茜色に光る一筋の道が現れました。ありがたや!

「何ごとのおはしますかわ知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」(中世の歌人、西行法師の伊勢参りの歌)

神話では八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾から出たとされる剣が後の三種の神器の一つ「草薙剣」であると言われ、日本書紀では「大蛇あるところ必ず雲気」ありと言われて、叢雲(むらくも)を呼ぶ剣として天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)と呼ばれていたそうです。退位と即位それぞれの儀に際して神器継承の儀式が完了するまでに厚い雲がかかり雨が降っていた事は非常に神話的で日本的でありましたね。

雄武町はこれからが桜の季節、観光協会では町民の皆さまからの「おうむの桜」写真募集中です。皆様のご来雄をお待ちしております。

「願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」(西行法師)

凍えながら待ちに待って顔を覗かせてくれた朝日

山側の裾には雲海のような幻想的な風景

ホテル日の出岬さんの粋な計らいで、凍えた体を無料開放の天然温泉(オホーツクビューの露天風呂もあります)でほぐし、令和の初湯も楽しめました。さらにおまけに温泉入浴クーポンまで頂き、ありがとうございました。