ふるさと調査~雄武中学校×地域包括支援センター

雄武中学校1年生が総合的な学習の時間で「雄武町のことについて調査しよう」を6月30日に実施しました。

この授業は1年生から3年生まで継続して行うもので、雄武町の事を地域の人々に聞いて、地元愛を高め、町のことを再発見するきっかけになる事を目的としており、1年目の今年は雄武町地域包括支援センターに協力を依頼し、漁業、農業、林業、商業をテーマに町内から4名の高齢者がご自身の経験を語り、鉱業については包括支援センター所長:佐々木副町長が講義しました。

事前に一年生34名がどのような町の歴史に興味があるかを元に班を5つに分け、ご自宅や、図書館などに生徒が出向き、約1時間町の歴史を学びました。

開基100年を軸とした雄武町開拓授業

ふるさと学習に先駆けて、6月15日には、佐々木副町長による雄武町開基100年を軸とした開拓時代の話を聞いた1年生は、その学習を元に、各班で28日の校外学習に臨みました。

北隆鉱山と農業の歴史

佐々木幸博副町長が担当したのは、農業と鉱業のお話
現在の酪農の苦しい経営状況の理由や雄武町の農業の始まりと、大正11年の山火事の後に被害状況確認の際に鉱脈を見つけ雄武町ゴールドラッシュがスタートした北隆鉱山時代の話から鉱山衰退までを当時の写真を振り返りながら学習しました。
「鉱山など、名前は聞いたことがあるけれど、詳しく話が聞けてよかった」
と今では見る事ができない、雄武町の鉱山について調べることができました。

漁業の歴史

沢木では昭和初期の雄武町の漁業の歴史を話してもらいました
中学生から仕事をしていたという山崎さん。
その頃には船が小さかったので、ニシンが大量に沿岸にいるため、沖に行けなかったそうですが、物流が発展していなかったので、ニシンは「かす(肥料)」にして数の子を干して保存食にしたそうです。
中学生は昔の道具を触ったり、どのように使っていたかも体験しました。
お父さんが漁師をしている人が多かった漁業班では「昔の漁業のお話を聞いて、お父さんが漁師だけど、知らないことがたくさんあった。」と驚くお話が多かったようです。

農業の歴史

農業班は共栄地区
入植時代の話では乳牛2頭から始まったと聞いて皆さん驚いていました。
現在は500頭飼育していると聞いてさらに驚き、牛の種類や牧草の話などを聞くことができました。
「乳牛はホルスタインだけしか居ないと思っていた。種類がいくつもあると初めて知った!」
「2頭しかいなかったのにたくさん増えてすごい」
「牛の餌が良くなって(草だけからサイレージなどがあるから)牛乳がたくさん絞れるようになったとわかった」
「昔は一本の杭に一頭ごとに繋がれていたなんてびっくりした。今は牛舎が広くて冷暖房もあると聞いてすごいと思った」
と、昔と現在の農業の違いを知ることができたようです。

林業の歴史

林業は町内の小原さんのお宅にお邪魔し、昔の雄武町の林業の方法などを学びました。
山に入り、大木を手で切って、川から海へ流して、河口で筏(いかだ)にして大きな運搬船が入る港が無かったため、沖で待つ運搬船まで筏で渡したという手順には、参加した皆さんは驚くことばかりだったようです。
その時代の幌内川での作業の様子が今でも図書館に資料として残されており、実際に写真を見ながらお話を伺うことができました。

商業の歴史

図書館では商業と雄武の歴史について個人商店を営んでいた三浦寿太郎さんにお話を聞きました。
町の商業のなりたち、町の歴史、2度の大火からの復興や幌内ダムの崩壊などを、写真資料を交えて、三浦さんの経験とともに盛りだくさんお話くださいました。
「今日は雄武町の知らなかった大火やダムのことを知る事ができた」と自分達の町の歴史をしっかり学びました。

ふるさと調査を終えて、雄武中学校の佐野先生は「どのグループの生徒も全員、行って良かった、話を聞けて楽しかったとリアクションがとても良かった。反応を見て、とても良い時間だったと実感しています。この授業は3年生まで続くので、どのように活用していくか、今回の調査をどうやってまとめてくれるかが楽しみです」と手応えを感じたようです。

授業の協力をした雄武町地域包括支援センターでも
「介護予防事業としても非常に良い機会をいただきました。協力してくれた皆さんも、依頼が来てから、どのように話をすすめるか、何を話したら良いかと自分達の現役時代を思い出しながら一生懸命に準備をしていましたので、このような機会があればまたお引き受けしたい」と振り返りました。

講師を務めたみなさんもは、とても緊張をしたとのことですが、若い世代の人と話す機会がないので、それぞれ楽しんだと感想を教えてくれました。