流氷が沖へ去り、船が港へ降りて海明け準備が完了した3月17日、令和4年春の毛蟹カゴ入れが完了し、翌18日には初水揚げとなりました。
18日の水揚げには雄武町公認キャラクターいくらすじ子ちゃんも同行して毛蟹漁を初体験しました。
まだ真っ暗な雄武漁港で、待機していると「沖に流氷が来ているので様子を見ている」と30分遅れで10隻の毛蟹漁船が出港しました。
午前4:00 気温はマイナス6℃とだまっていると鼻先が痛くなる寒さです。
20分ほど船を走らせ、ひとつ目の漁場はホタテ場のすぐ近く。
ホタテ船の邪魔にならないように暗い内の引き上げです。
1100メートルのロープに約150個のカゴが付いていて、平均2ハイから3バイの毛蟹が見えています。
昨年から少し資源が戻ってきていると聞いているので期待大です。
次々と上がってくる毛蟹は《サシ》と呼ばれる専用の物差しでサイズを計測します。
甲羅の大きさを測り、8cmに満たない小さな個体やメス、脱皮したてと思われる《若ガニ》を船上で素早く仕分け、水揚げ出来ないものは海へ還します。
このキッチリとした船上の仕分けが資源保護に大きな役割を果たしています。
毛蟹をはずしたカゴには再びエサを入れて、ロープに結び海へ投入していきます。
一番沖にある漁場に着いた頃には、すっかり日が高くなっていましたが「寒い!」と思わず声に出す風の冷たさ。
船員さんの指差す方向には数キロ先の流氷帯が見えます。
無線では一番奥に漁場のある船から「氷がすぐ近くにあってカゴあげられるかな」と状況連絡も聞こえていました。
この翌日からの低気圧予報に備えて、カゴあげは半分ほどにし、漁具が氷にさらわれない様に準備もしなくてはならないそうです。
10ヶ所の漁場を廻り、1週間前から操業が始まっているホタテ船団のすぐ横を通過して10:00過ぎに帰港
次々に毛蟹を乗せた船が入港し、カゴを運ぶトラックのエンジン音や、入札の確認の声が聞こえて、賑やかな雄武漁港でした。
初日の水揚げは全体で約3.6トン
シーズンを通して57トンを水揚げ予定です。
少しづつ資源が回復して、大漁になりますように。
雄武町の海シーズンが本格的に始まりました!
いくらすじ子ユーチューブ動画
撮影協力:第32盛運丸