「タオのおうむ発見」自然を堪能!有意義なピヤシリ湿原登山ツアー

オホーツク総合振興局西部森林室が主催するピヤシリ湿原登山ツアーは3年連続で悪天候などにより中止となりましたが、今年7月31日にようやく無事に行われました。

昨年のツアーは正式に実施されなかったのですが、9月下旬に私は下見で行きました。違った時期に登山したおかげで、夏と秋の風景がどう変わるのか実感できました。

バスで移動中の時、山岳ガイドの土榮さん(山楽舎BEAR)がピヤシリ湿原のいい所と熊よけの方法を説明してくれました。見応えのある景色と、木道がないため、自由にどこでも歩けるし、足の裏で湿原の柔らかさを感じることはピヤシリ湿原の魅力です。こんな湿原は北海道にはほとんどないので、地元の私たちが誇りを持ってもいいと言われました。また、安全面で熊を寄らせないように、いっぱい喋ったらいいとアドバイスしてくれました。なので、熊よけ鈴の「リンリン」という音をならしながら皆さんが楽しく話して、移動しました。

出発地点から山頂まで約2.5キロメートル、普通は休まずすっと行けますが、湿原へのルートは長く続く急斜面とガレ場(石がガラガラと積み重なった場所)が多いため、何度か休憩をとりました。私は急な坂を見るたび、「後悔した!戻りたいなぁ。。。」という気持ちが何回も繰り返しましたが、登り切って、見晴らしの良いところに着いた時、心地よい風に吹かれ、青空、雲と連なっている山々を眺めることで疲れが全部吹き飛びました。この「エネルギーチャージ」があったから、次にある最後の一番急勾配を乗り越えられました。

休憩時間も含め、約1時間半でやっと湿原に到着しました。昨年9月の一面茶色の景色と完全に違って、目の前に青々とした緑一面に広がるミズコケ類のほか、アキノキリンソウ、タチギボウシ、シラネニンジンなどの植物が多く自生していました。ホロムイイチゴも食べてみて、「お正月の残った干しミカンみたい味」と他の参加者が面白く例えました。

秋の時の景色
夏場の景色
アキノキリンソウ
タチギボウシ
シラネニンジン
モウセンゴケ
ホロムイイチゴ

湿原散策の時、湿原ガイドの西部森林室の小林さんが湿原と湿地の違いや高層湿原植物たちなどについて色々話してくれました。このようなツアーを通じて、私たちが自然との触れ合いができることで環境保護の意識が高まると主催側は期待しています。

昨年撮影した地面

湿原地面は柔らかいのですが、今年は天気が続いたので、昨年の秋のように足元がぐちょぐちょしませんでした。湿原地で自然を満喫しながら、食事できて、本当に良かったと思いました。

下山の時も大変でした。急勾配の連続、枯れた笹に足を滑らせやすかったので、深い注意を払いながら、足を踏ん張って、下りました。ベテランがストックも装備して、必要な参加者に貸してくれたので、無事に到着した時、「ストックを貸してくれたSさんは命の恩人だ」と初めてピヤシリ湿原登山に参加した人が言いました。*大笑*

実は今回のツアーに申し込んだ後、私は少し後悔して、悪天候で中止となってもいいなぁと思いましたが、予定通り実施できて、良かったです。湿原について色々勉強になるだけではなく、自然を堪能したことで環境保護の意識が高まり、また他の参加者と話し合いもできました。「百聞は一見に如かず」ので、次回開催される時、皆さんも是非一度参加してみてくださいね!

参考情報:

  • 湿地には湿原のほか、河川・湖沼・海岸などの湿った環境も含まれます。
  • 湿原は湿地の一つのタイプで、植物遺体由来の泥炭が堆積・形成した泥炭地の上に形成された「草原状の植生」の事をいいます。
    (令和3年度 ピヤシリ湿原登山ツアーダイドブックー北海道オホーツク総合振興局西武森林室)
  • ピヤシリ湿原は、泥炭(でいたん)地の表面が泥炭層の基盤地形とは無関係に、ドーム状または時計皿状に盛り上がってできています。できた泥炭が、水面より高く盛り上がっている湿原を「高層湿原」、水面の下になっているものを「低層湿原」といいます。
    (ピヤシリ湿原の湿地ーオホーツク総合振興局サイト