海明けの音

3月に入って早々に低気圧で荒れたオホーツク沿岸。
前浜に重機や漁船のエンジン音が響きます。
風雪が止んで除雪作業を終えた雄武漁港で春の風物詩の一つ【船おろし】の作業が行われました。

まず始めに、毛蟹船10隻を2日に分けて作業をすすめます。

各船を専用の台の上に置き、重機で海に続くレールまで運びます。
レールに乗せられた船は太いワイヤーに支えられながらゆっくり慎重に進水し、船体が港にしっかり下りたらエンジンをかけ、所定の位置に移動し係留されるまで約40分の時間がかかります。
1隻船がおりるごとに台と木材を小型船が回収し次の船の準備をします。
灯台を境に海の色が違うのは流氷の侵入を防ぐために漁港の入り口に鎖を張っているからですが、この日は港の中の方が凍っているのがわかります。
漁港内は雪解け水などで塩分が薄くなった表面の水分が連日の冷え込みで凍ったようです。

2日目には初日よりも青空が広がり、ドローン撮影や船上から船おろしの様子を見学させてもらいました。
ベトナムには無い【漁船を港へおろす】作業にタオさんも興味深く撮影していました。

船おろし

船の上から見学

毛蟹漁にさきがけて行われる越冬タコ漁:第32盛運丸提供

船が港に降りた週明けには今年の毛蟹漁にさきがけて、昨年の冬に仕掛けておいたタコ箱を回収する【越冬タコ漁】が行われました。
水揚げされたタコはオホーツクの厳しい冬を越した大物ばかりです。
昨年は漁港のすぐ外に流氷の本体がまだ居座っていたために、この越冬タコ漁も思うようにすすまず毛蟹漁の初日がずれ込みましたが、今年は順調なようです。

今年の毛蟹のカゴ入れは15日に初水揚げは16日の予定です。
まだまだ風は冷たいオホーツクですが、着々と春が近づいています。