地域を知ろう〜雄武高校食育授業〜

11月12日、日頃から雄武町子ども育成会で地域貢献に力を入れている、漁師の四辻さんからお誘いいただき、雄武高校への食育授業に同行させていただきました。

今回は生活教養を選択している3年生を対象に《地域を知ろう》というテーマで第一線で活躍されている地元の方をゲスト講師に迎え、前半は海の授業の他、来春に卒業を控えた7名の生徒に社会人基礎力のお話も加え、雄武町で生まれ育ち、さらに雄武高校を卒業して37年、雄武の海で第一次産業を担ってきた先輩として、モニターを活用しながら授業が行われました。

地域を知ろう モニター授業

《地域を知ろう》というテーマで、四辻さんが選んだ題材は雄武町のうまいもん代表の鮭です。
ご自身では鮭漁はされていませんが、子ども育成会での活動や、食育アドバイザーなど多数の資格を持ち、町外の小学校へも出張授業を頼まれるというだけあって、鮭の習性、種類、漁法、育てる漁業の話まで詳しくお話されました。
「雄武に住んでたら《アキアジ》の方が呼び慣れてるよね」と言いながら、「鮭が自分の生まれたところに戻ってくるのは何年?」「このヒレの名前が分かる人!?」
所々に”アキアジ(鮭)クイズ”をおりまぜ、生徒の皆さんも楽しんでいたようです。

地域を知ろう 鮭を使って調理実習

たっぷりと海のお話を聞いた後半は、雄武漁業協同組合から授業用に無償提供された鮭を使って、四辻さんが豪快に捌いて見せてくれました。
一ヶ所さばくごとに、部位の説明や雄武の人たちの食べ方や料理法も教えてくれます。
生徒の中には家業が鮭漁をしている子も何人かいましたが「それ美味しいよね」「知ってる!」「へ〜すごい!」「初めてきいた!」と関心しきりの声があがっていました。

四辻さんがキレイに3枚おろしにしてくれた鮭を生徒にバトンタッチして、この日は「鮭のムニエル」を作りました。
慣れた手つきの子もいれば、「鮭の皮切れない!」と苦戦している子もいます。
最初は素手で魚に触る事に抵抗があった子もいましたが、最後はどの子も自分の手で鮭料理を楽しんで作っていました。
完成した料理を口にして「うまい!最高!」「次からもうムニエルしか作らない」と嬉しそうに頬張っていました。

約2時間の授業を終えて
「17年雄武にいるのに、初めて聞いた事が多くてびっくりした」
「今まで知らなかった漁業の取組を知ることができた」
「鮭の知らないヒレの名前があって面白かった」
と数名の感想を聞かせてもらいました。

四辻さんはご自身が関わった子ども達が、将来どこにいても、今日の授業をどこかで思い出したら、自分の子どもや自分の住む地域の人達に「雄武町はこんなところ」「こんな美味しいものがある」「自分が学生の時にこんな授業があった」と話してくれたら嬉しいと笑顔で話していました。

地域を知り、その土地の物を食べ、たくさんの実りある授業になったのではないでしょうか。