幌内のチャシ

雄武町幌内の幌内川流域には、アイヌ民族の遺跡である「チャシ」が点在しています。チャシはアイヌ語で「砦」を意味しており、16世紀から18世紀にかけて構築されました。

チャシは自然の地形をたくみに利用してつくられており、濠(ほり)や崖で区画されています。チャシは構造上の特徴から、①突出した台地の先端を濠で切った「丘先式(きゅうせんしき)」、②崖に面した台地に濠をめぐらした「面崖式(めんがいしき)」、③山や丘の頂上を利用した「丘頂式(きゅうちょうしき)」、④孤立した丘や島を利用した「孤島式(ことうしき)」の4種類があり、幌内川流域には複数の種類のチャシが確認されています。

チャシの機能は防御施設としての砦以外にも、儀式の場、見張りの場、交渉の場など多岐にわたっており、アイヌ民族にとって大切な空間であったと考えられます。

幌内川流域のチャシは、互いが見えるほど近くに並んでいるのが特徴ですが、幌内ダムの一部であったり、農業用地の奥にあるために、一般の方が近づくことは簡単ではありません。そこでドローンによる動画撮影を行いました。

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「リーチャシ(丘先式)」リーはアイヌ語で「高くある」との意味で、旧幌内ダムのゲート(水の出口)付近にあります。高さ約50mの断崖絶壁の上に位置する特徴的なチャシです。

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「トーペツシャチ(チャシ種類不明)」トーはアイヌ語で「沼」、ペツは「川」の意味で、沼にあるチャシという意味になります。幌内川の氾濫原に面していることから、チャシの下が沼地になっていたのかもしれません。

「高野チャシ(丘先式)」高野農場内にあるチャシ。トーペツチャシと向かい合っています。

監修:オホーツクミュージアムえさし 館長 高畠隆宗 様