オホーツクの春の味覚、毛ガニ漁

オホーツク、海明け、春、と言えば「毛ガニ」の季節です。
15日には解禁予定だったオホーツク西部毛ガニ漁ですが流氷の影響で延期になり、20日に籠入れ、23日に初水揚げとなりました。

いつも浜の情報を気さくに教えてくださる頼れる毛ガニ漁の親方、第32盛運丸 四辻船長から「19日から準備が始まるよ」とお誘い頂き、籠入れ前日の準備から初水揚げまで密着取材させて頂きました。
 港には15日の初出漁を待っていたカニ籠が積まれていましたが、シートをはいでロープを外しエサを入れて翌日の出漁に備えます。

いよいよ20日、夜明け直前の前浜は出漁準備の船の灯りで賑わっていました。
「プップーッ」5:30出港の合図の音が鳴り沖に船が並ぶ頃には雲の奥に朝日が昇っていました。
1回目のカゴ入れを終えて9:30には2回目の投入のために帰港。ここから観光協会スタッフも乗り込み沖の様子を撮影してきました

準備からカゴ入れまで

1隻1500カゴを積み込み、決められた10ヵ所の漁場(ポイント)へ投入。
1カ所2200メートルのロープに約10メートル間隔で150個のカゴを結んでいきます。
初日はまだ陸(おか)が見える場所に設置していますが、漁がすすむにつれて漁場も沖へと移動します。
全ての漁具が納まりいよいよ初水揚げ!でしたが翌日から強風のために時化で早々に休漁となり待望の初水揚げは週明けになりました。

令和2年 毛ガニ漁初水揚げの様子

週明けの23日、4:30出港
夜明けにはまだ1時間近くあります。
船を走らせ約20分ほどで漁場に到着し、暗い中いよいよカゴの引揚げ作業が始まりましたが小ぶりな毛ガニの姿が目立ちます。
毛ガニは船上で素早く仕分けし、漁獲して良いものはサイズごとにカゴに分けられ、資源保護のため、メス蟹や8cm以下の漁獲出来ないカニは海へ戻されます。
この日は引揚げられたカゴもエサを入替え再び同じ場所に設置して翌日に再び水揚げします。
漁場を移動している最中「クジラ見えてるよ」と言われ、慌ててカメラを向けましたが残念ながらどのカメラにも写っていませんでした・・・
全部で10ヵ所の漁場からカゴを引揚げ9:30帰港
振り返ると他の船も次々と入港しています。
毛ガニの初水揚げとあって港で迎える人も多く見られました。同時に市場開きも行われて並んだカゴにはすでに入札の札が入っています。
初日の雄武町の水揚げは約1トンとの事で、近年不漁が嘆かれている毛ガニですが初物の姿を見ると1年が始まったと気分が高揚しますね。

取材の2日後には漁場を移動させたようですが沖にはまだ流氷が停滞していて間をぬっての操業だそうです。
初夏まで続く毛ガニ漁。今では貴重な海の幸となっています。
少しでも多く資源回復してもらいたいですね。
第32盛運丸 四辻船長ならびに乗組員のみなさんには数日間大変お世話になりありがとうございました。
安全操業でシーズン頑張ってください!