沢木サンセット

都会で暮らしていては決して見られないもの – それは見事な夕焼けです。私自身全国各地を訪ね歩きましたが、各地それぞれ素敵な夕焼けがあります。

中でも島根県松江市と出雲市にまたがる宍道湖の夕焼けは見事でした。小泉八雲や田山花袋という文人墨客に愛されたそれは古の昔から変わらぬ美しさをたたえ、湖面をだいだい色に染めるのです。また、愛媛の瀬戸内に沈む夕日も息を飲む美しさでした。大小様々な島が浮かぶ穏やかな瀬戸内の海が夕日の光で赤く染められ、そこを小さな漁船が進んで行く。ああ、幸せだなぁと缶ビールを片手にそんな風景を眺めることが旅の楽しみの一つでした。

雄武の夕焼けも宍道湖や瀬戸内に負けず劣らず素晴らしいと私は思います。雄武の夕日は山に沈んでいくという点で違いはありますが、そこはやはり北海道、雄大さが加味されます。西の山に近づくと太陽は加速度を増し、辺り一面をだいだい色に染めていきます。

でも、それだけではありません。夕焼けの時間に日の出岬ホテルの前の海岸線に立つと日の出岬もだいだい色に染まっていくのです。風のない海が凪いだ日はオホーツクも静かに波打ち本当に穏やかな夕焼けを楽しむことができます。

もちろん片手に缶ビールを忘れずに。